「老子」はリーダー育成にピッタリの教本!
『老子』の中には、ビジネスの場でも生かせる教えも
数多く見つけることができます。
とりわけ、「国(組織)のリーダーとは、かくあるべし」という
リーダー論について語られている言葉も多いので、
ビジネス書の類ではよく老子の思想が取り上げられています。
興味深い話としては、アメリカでは
リーダーシップ育成の教科書として『老子』が使われているのだとか!
ちなみに、老子が理想としていた「リーダー」の姿とは、
「部下から存在すら意識されないリーダー」。
普通は、「周りから尊敬される人=リーダーの資質のある人」
と思われがちですが、老子の持論はちょっと違っているのです。
存在すら意識されない、ということは、言い換えれば
権威的でなく、恩着せがましくもない。
「なんだかよくわかんないけど、最近、仕事がやりやすいよね」
「なんかよくわかんないけど、最近、楽しくない?」
…部下たちにこのように感じさせることができれば、
リーダーとしては大成功!
あえて“跡”を残さずに功績を上げることができているということです。
「上の立場を維持したければ、空気のような存在であれ」
…これが、リーダーたる人に向けた老子の究極の教えなのです。
「倍返し」は得策ではない!?
2013年の「流行語大賞」にも選ばれた、「やられたら倍返し」。
ビジネスの世界を舞台にしたドラマのセリフだっただけに、
世のサラリーマンたちの間でもこの言葉が流行っているようです。
しかし、果たして、ビジネスの世界で「倍返し」することは
本当に自分にとって得策なのでしょうか。
老子に言われば、それは「否」!
なぜなら、老子は、「怨みは怨みの連鎖を呼ぶだけ」と考えていたからです。
確かに、「やられたら倍返し」を繰り返していれば、
倍が4倍になって、さらに8倍になって…と、
怒りや怨みは増大していくばかり。
これでは、自分も相手も救われません。
仏教にも、「怨みを捨ててこそ怨みは鎮まる」という言葉がありますが、
それはビジネスの世界にも通ずるもの。
やられたからといって倍にして同じ行為を返すのではなく、
一旦、深呼吸して相手の怒りを受け止められるだけの余裕が欲しいものです。
「無理をしない」のススメ
「倍返し」にするのではなく、まずは状況を静観する余裕を持つべし。
…この考え方にもつながっていくことですが、
ビジネスの世界では、「無理をしない」ことも大切なこと。
例えば、みなさんは、キャパを超えて仕事を引き受け過ぎてはいないでしょうか?
キャパシティーいっぱいいっぱいに、
パンパンな状態で仕事を詰め込んでいると、
万が一のトラブルが発生した時に柔軟な対応ができなくなってしまいます。
コップに入れた水を想像してみてください。
縁ギリギリまで水が入っていると、
何かの衝動で一気に水がこぼれてしまうリスクが高いですよね。
しかし、2割程度の“空き”を残しておけば、
ちょっとやそっと揺れたくらいでは水はこぼれません。
バッグに荷物を入れる時もそうです。
パンパンに物を詰めてしまうと、出先で何か資料を受け取っても、
それを入れるスペースがない!
あらかじめ余裕を持たせておけば、スッと入れられて見た目にもスマートです◎
ビジネスに置いても、そのような“余裕”が大事。
老子の言葉を借りれば、
「道に従う人は、何事もいっぱいに満ちることを望まない」ということです。
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