老子の言葉をわかりやすくお届けします

その短所、目を瞑ってあげることはできませんか?

子育て中、とりわけ「イヤイヤ期」と呼ばれる2歳児をお持ちのママは
子供の良い面よりも悪い面が目につきがちなことでしょう。
彼らは、親が「して欲しくない」ことばかり、
まるで狙ったようにやってくれますからね(笑)!

 

「良いところを伸ばす教育」
…これが大事であることは頭ではよくわかっているつもりでも、
日々、長い時間を一緒に過ごしていると、
どうしてもイライラしてしまいがちなものです。
自分が生んだ子供なのだから、長短含めて全てを受け入れてあげなくちゃ!
そう思えば思うほどに、それができない自分を「母親失格」と感じてしまったり。

 

ついつい子供の行動ばかりに気を取られがちですが、
そんな時だからこそ、自分自身の言動に注目してみてください。
「これはダメ!」
「あれもダメ!」
「なんで、何度言ってもできないのよ〜」

 

気づけば、「ダメ出し」ばかりを連発していないでしょうか?

 

それは、「子供の長短全てを受け入れる」ことに
こだわり過ぎているせいかもしれません。

 

すなわち、長所(できていること)を見つけることよりも、
「短所も受け入れよう」ということに気持ちが傾き過ぎているのではないでしょうか。
言い換えれば、それだけ、短所ばかりが目に付くということかもしれませんが…。

 

老子の言葉を借りれば、
「長所を尊び、短所は切り捨てる」

 

いっそ、短所は見て見ぬふりをしてしまう!
いちいち注意もしない!

 

…それって、教育の在り方としてどうなんだ?というご指摘も受けそうですが、
短所ばかり気にして自分の子供を嫌いになるよりはマシでしょう。
長い子育て期間のうち、少しはそんな時期があっても良いのではないでしょうか。

長所をとことん誉めたおせ!

人の長短をどうとらえるべきか?
老子は、その考え方の見本として次のような言葉を残しています。

 

「その長ずる所を尊び、その短なる所を忘る」
つまり、苦手なことはいっそ切り捨てて、得意なことを追求すべきだ。
…というわけです。
これは、そのまま、子育てや部下の教育にも応用できますよね。

 

人間、一人一人、長短があるのは当たり前。
勉強はできなくても、優しい子。
不器用だけど、愛嬌だけはピカイチの子。

 

資料を作るのは得意だけど、プレゼンは苦手な人。
頭はすこぶるキレるけど、口が悪くて誤解されがちな人…。

 

相手の短所には目を瞑り、その人が長所を発揮できるように仕向ける。
これができるのが、老子流の理想的な教育の在り方と言えるでしょう。
そして、それを実現するためには、
教育する側(親や上司)に心の余裕がなければ!
人の長短をひっくるめて引き受けるためには、
その分だけキャパの広さが必要なのです。

信頼は能力を伸ばす魔法のエッセンス

「やる気スイッチ」の入り方は人それぞれ。
「けちょんけちょんにバカにされると、悔しくてやる気になる」
という人もいれば、
「厳しく叱責されないと、お尻に火がつかない」
という人もいるでしょう。

 

しかし、「褒められるとやる気になる」というタイプも多いのでは?
自分の長所を「スゴイね!」「イイね!」と持ち上げられると、
どんな人でも悪い気はしないものでしょう。
老子は、そんな人間心理をよく読んでいたんでしょうね。

 

短所を責められると、多くの人は萎縮してしまいます。
結果、長所だったものまで失われてしまうリスクもはらんでいる…!
なんでもかんでも「ダメ」を繰り返されていると、
人は自分で考えて自分で行動することが怖くなってしまいます。

 

教育することに疲れたら、まずは自問自答してみてください。

 

自分は、相手の長短を見極めることができているだろうか?
相手を信頼できているだろうか?

 

なかなか応えてもらえないのは、相手が、
「信頼されている」という安心感と自信を持てずにいるからなのかもしれませんよ。