老子の言葉をわかりやすくお届けします

「ありのまま」って難しい!

「ありのままでいるのが一番だよ」
「アナタはありのままでいてね」

 

…よく、このような表現を使いますよね。

 

しかし、ありのままでいるのは意外と難しいこと。
なぜなら、誰にでも「少しでも自分をよく見せたい」という虚栄心がありますからね。
実物よりも美しく見せたいからメイクをするわけですし、
コンプレックスを解消したいからオシャレをする、
「スゴイ!」って言われたいから、ワンランクでも上の大学を目指したい!!
「出世なんてできなくても良い」と言いながら、
実際、心の中ではライバルの昇進を羨んでいたりするものですし…。

 

もちろん、少しでも上を目指して努力をすることは大事なことですが、
老子によれば、「足るを知ること」も大事なこと。
身の丈に合った「満足の基準」を心得ておかなければ、
欲望は尽きませんし、どれだけ努力してもゴールにたどり着きません。
それって、「幸せ」と言えるのでしょうか?

 

「ありのまま」の理想形として、老子は「白雁」を挙げています。

白雁の「白」は100%天然!だから美しい

白雁、すなわち白い雁は、生まれつき「白い」のが特徴なわけですよね。
別に、水を浴びたから白いわけではない。
あの純白の輝きは、持って生まれた「天然自然のもの」であり、
だからこそひときわ美しく、素晴らしいものなんだよ。
…と、老子は言うのです。

 

これはすなわち、
「人工的につくられた美には限りがあるよ」
という意味にも解釈できますよね。
結局、どんなに外側から美しく白く塗りたぐっても、
白雁のナチュラルな白に敵うわけがない!
だから、天に与えられた通りに「ありのまま」であるのが一番理想的だというのです。

自分の中にいる「白雁」を見つけよう

「それって、所詮、ブスはブスなんだから頑張ってメイクしてもムダってこと?」
…いえいえ、決して、そんな意味ではありません(笑)。

 

容姿の美醜に当てはめて言うなら、無駄な努力をしなさんな、ということではなく、
「自分の良さを理解して、そこを伸ばしなさいよ」
というポジティブな戒めでしょうね。

 

例えば、鼻が低いことを気にして「整形したい」という人がいます。
しかし、考え方によっては、あなたにとっての「白雁」はその鼻。
鼻が高い人では似合わないメイクや髪型、ファッションってありますよ。
初対面の人に対しても、鼻が低いほうが
「親しみやすい」「優しい感じがする」
など、やわらかい印象を与えることができます。

 

鼻が高い人ほど、自信家に見えてしまうため、
人間関係においても、なにかと誤解されがち。
自分にはその気がなくても、相手の闘争心をあおってしまうこともあります。
鼻が低いほうが、目上の人に好かれやすいですし、
周りのサポートも受けやすいんですよ。
接客や営業職であれば、鼻は高いよりも低いほうが好都合なんです。

 

これは、容姿に限ったことではなく、内面の問題についても同じこと。
自分の中の「白雁」を見つけて、それを大切にして生かしていくこと。
そうすれば、社会の中に無理なく自分を溶け込ませ、
そこで“自分”を思い切り生かすことができるはずです。

 

老子の教えとは少しズレてしまうかもしれませんが、
まずは自分自身のことを良く理解することが
本当の幸せへの近道と言えるのではないでしょうか。

 

変に無理をして爪先立ちをしても、どうせ転んで怪我をするだけですからね(笑)。